様々な刺激にひといちばい敏感で、繊細なHSCのお子さんをもつお母さん。
と思ったことはありませんか?
- HSCという気質をどう伝えたらいいのかな?
- 本人は受け入れるかな?
- 知ったらラクになるかな?
- そもそも伝える必要はないのかな?
と考えたこと、ありませんか?
私は普段から、子どもとの会話の中で必要だなと思ったときに、
性質や特徴について肯定的に感じられるように、HSCという言葉は使わずに伝えていました。
息子を「HSC」という言葉の枠にはめるのではなく、
自分を知ってラクに生きるためのヒントになればいいなと思っているからです。
先日、中学生の息子が私の本に興味を示し、HSCの本を手に取りました。
- 本人は読んでみてどんなふうに感じたのか?
- どんな反応だったのか?
- 自分のこととして受け入れられたのか?
親としては、気になるところですよね。
そこで今回は、HSCの本を読んでみた息子の反応について、お話ししてみたいと思います。
わが家の例ではありますが、参考になれば幸いです。
私の本棚に興味をもち始めた息子
私の本棚には、自己肯定感やHSPなど心理学系の本、子育てや趣味の本が所狭しと並んでいます。
息子が最近、その本棚に興味をもち始め、
といいながら、眺めることが増えてきました。
何でも無理強いせずに、興味をもったときがチャンス!と思っている私は、
と声をかけてみました。
すると、パラパラと本をめくった息子は、
といって、離れてしまいました。
気にはなるけど、字の多い本を読むのはちょっと苦手。
興味は示すけど読むまでには至らない、そんなことが何度かありました。
『HSCの子育てハッピーアドバイス』を読んでみる
ところが、今回はこんなふうに聞いてきました。
再びチャンス!と思った私は、
マンガが多いから読みやすいよ。
絵がかわいくて、読んでみると結構おもしろいんだよー。
子育て本だけどHSCのことが分かりやすいかなぁと思って、
マンガ好きの息子に「HSCの子育てハッピーアドバイス」をおすすめしてみました。
HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子
マンガのとこだけでもいいもんね。借りるねー。
息子の部屋から爆笑の声が・・・
しばらくすると、部屋から笑い声が聞こえてきました。
何がそんなにおかしいんだろう・・・?と思って声をかけてみると、
僕とお母さん、たまにあるよねー!
といって、マンガを指さして笑っています。
息子がはまっていたのは、「すぐ驚く」というHSCエピソードのマンガでした。
ひとりが驚いて大きい声を出すと、その声に驚いてもうひとりが大きい声を出してしまう、というマンガなのですが、
親子で敏感だとこういうことがたまにあるのです。
他にも、
- 服のタグを痛がる
- くすぐられると大変なことになる
- 注射で他の子より大騒ぎする
- 学校にいるだけで疲れる
- 過剰に刺激を受けやすい
など、自分にもあると思うものを教えてくれました。
わが家は家族みんなが、それぞれに繊細さや敏感さをもっているので、
あ、お父さんもいた!
お母さん、これだよね!
と言っては、絵がおもしろい!分かるー!と笑って楽しんでいました。
この本の中に僕がいた!
ひとしきりあるある話で盛り上がったあと。
息子が見せてくれたのは「1を聞いて10受けとめるタイプ」の4コママンガでした。
クラスの子が忘れ物をして先生に叱られている場面なのですが、HSCは周りの子が叱られているのを見て、
「自分も忘れたらあんな目にあうんだ」「相当気をつけないと!」と受けとめてしまうというものです。
それから「きょうだいにかける言葉」というところ。
姉の不登校やその対応を小さい頃から近くで見てきた息子は、
「お姉ちゃんばっかり休んでずるい」「自分はがんばらなくちゃ」という思いや不満がどこかにあったと思います。
そういうきょうだいに対して、「その子のがんばりを認めていきましょう」と書いてあるページでは、普段感じている自分の思いを話してくれました。
僕だって学校すごくがんばってるんだよ。
〇〇だってたまには休みたいって思うことあるよね。
〇〇も疲れたら休んでもいいんだよ。
お母さん、分かってくれてありがとう。
HSCの子は親の気持ちを読むようなところがあるので、自分の気持ちを伝えるのを我慢してしまうことがあります。
また、親が適当な返事をしたり、思ってもいないことを言ってもすぐに見抜いてしまいます。
だからこそ、自分からこういう話をしてきたときには、しっかり向き合ってあげる姿勢が大切だと思っています。
こういう性質の人は全体の2割くらいいるって言われてるよ。
息子は中学生になって、今までよりももっと自分のことを知りたくなったのかもしれません。
実際に本を読んでみて、HSCや自分について少し理解ができてスッキリしたようでした。
今まで育ててくれてありがとう
「HSCの子育てハッピーアドバイス」は、基本的には子育て本です。
ですので、HSCの子を育てる親側の苦労や大変さ、それにどう対応したらいいかなどが具体的に紹介されているのです。
マンガはもちろん、文章の方も字が大きくて読みやすく、息子はざっと読んだみたいでした。
そして、こんな感謝の言葉を伝えてくれたのです。
大変で疲れることもあると思うけど、いつも優しくしてくれてすごく嬉しいよ。
お母さん、すごくいいお母さんだよ。今まで育ててくれてありがとう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
息子がHSC本を読んでみたら、こちらが思っていたよりもスムーズに、自分事として受け入れることができたようです。
HSCの割合は15~20%、人種や男女の差はなく、大体5人に1人いることが分かっています。
30人のクラスで考えると6人はひといちばい敏感な子がいることになります。
ものすごく少数派というわけではないですが、5人に4人の子はそうではないために、
HSCの子は「自分の感覚がおかしいのではないか」「ちょっと人と違う」と思ってしまうことがあります。
実際に息子が小学生の頃、「僕っておかしいのかな?」「みんなと違うんだよね」と言ってきたことがありました。
もしお子さんがそのようなことを言ってきたら、決して自分がおかしいのではなく、
色んな感じ方をする人がいること、自分の感覚を信じていいことを伝えてあげてください。
生まれつき青い瞳の人がいるように、それはその子が持って生まれたひとつの特徴であり宝物なのです。
それを教えることは、多様性を学ぶことにもつながります。
HSCは傷ついたりしんどく感じることもあるかもしれませんが、その分優しく豊かで素敵な感性をたくさんもっています。
本の最後には、著者の明橋先生からHSCの子に向けたメッセージもありますので、
お子さんが悩んでいたり、伝えるチャンスがあったときには、この本を渡してみるのもいいと思います。
HSCについて知ることで、「自分だけじゃないんだ」と安心できます。
自分を知って受け入れることで、「僕は僕のままでいいんだ」と思えるようになります。
また、「自分は親からいいところも悪いところもひっくるめて愛されている」と感じることで、自己肯定感が育まれていきます。
わが家の体験やご紹介した本が、親子でラクに生きるためのヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
P.S.
おすすめのHSC本については、こちらの記事でも書いています。
合わせてご参考ください。