あなたは普段から、こんなことを感じていませんか?
いつまでも失敗を引きずってしまう
いつも誰かに振り回される
なにかあると自分のせいだと思ってしまう
自分さえ我慢すれば・・・と思うことがある
そして、こんなふうに思っているかもしれません。
生きづらさを感じているのに、その原因が分からない。
抜け出し方が分からない。
それって、とても苦しいですよね。
実は以前の私は、これにすべて当てはまっていました。
自分さえ我慢すれば丸く収まると、自分の思いを押さえて他人を優先して生きていました。
なんで私は人とうまく関われないのか、どうしてすぐに自分を責めてしまうのか、辛いのに無理してまで認めてもらおうとがんばってしまうのか・・・。
今回ご紹介する本は、そんな私のような人に読んでほしい本です。
少し専門的なお話もありますが、コミックエッセイなので漫画も入っていて分かりやすく、私やあなたが感じている「なぜ?」「どうして?」「なんでこうなの?」という疑問を、
自己肯定感とスキーマというふたつの視点から、順序立てて丁寧に解説してくれています。
この本から、今まで分からなかった生きづらさの理由に気づけるかもしれません。
今回の記事では、
読んでみて私が感じたこと
同じ悩みを抱えるあなたに役立つこと
を、私なりに分かりやすくお伝えしてみようと思います。
生きづらいと感じているあなたの参考になれば幸いです。
コミックエッセイ「自己肯定感」をもてない自分に困っています
北海道十勝むつみのクリニックの先生が書いた本
このコミックエッセイは、北海道十勝むつみのクリニックの院長であり、精神科医の長沼睦雄先生が書かれています。
コミックエッセイ 「自己肯定感」をもてない自分に困っています
2018年6月に宝島社から出版。
長沼先生の書籍プロフィール欄には、
発達性トラウマ、HSP、アダルトチルドレン、神経発達症などの診療を専門として取り組む。
脳と心(魂)と体の統合的医療を目指している。
と書かれていて、薬に頼らない治療を心がけているそうです。
また、客観的な症状や診断にとらわれずに「心の在り方」に目を向けて診療されているとのことで、
目に見える世界だけを見るのではなく、患者さんの生きづらさや困り感にも寄り添っていることが、本を読んでいると伝わってきます。
この本は心の治療の流れに沿って書かれています
先生によると、心の治療では
心構え
行動
この3ステップが大切とのこと。
本でも第1章から第4章までがこのステップに沿って書かれています。
つまり、
- “自己肯定感”と”低くなってしまう要因”について知り
- 自分の今の状態に気づき
- 心に向き合う決意をして
- 心の中のマイナスを吐き出し
- 自己肯定感を高める習慣を作っていきましょう
ということです。
自分自身を振り返ってみるとどん底から復活してくる段階で、自然にこの流れに沿って自己肯定感を高めてきていたことに気づきました。
人が変わっていくための自然な心の動きなのかもしれませんね。
自己肯定感とは何か?を知る
第1章では、心の強さと過去のトラウマとの関係、自己肯定感が低い人の特徴、低くなると陥ってしまう心身の不調などについて書かれています。
冒頭のリストで自分のことを言われているのかと思うくらい、すべて当てはまってしまった私ですが、
いつまでも失敗を引きずってしまう
いつも誰かに振り回される
なにかあると自分のせいだと思ってしまう
自分さえ我慢すれば・・・と思うことがある
このようなネガティブ思考は過去のトラウマに原因がありますよ、ということを説明してくれています。
こんな思考をしてしまうのは自分がダメだからではなく、過去の様々な体験が関係していることが理解できます。
人はありのままに自分を受け入れられないとき、同じような状況や人を引き寄せて同じような経験をくりかえす
これがよく言われる、
- 人生でいつも同じようなことでうまくいかなくなる
- 同じような失敗のパターンをくり返してしまう
という理由なんだなと改めて感じました。
経験して分かったことですが、自分に起こるすべての出来事は「自分の成長のため」。
その出来事の中から何かを学び成長するために、何度も何度もくり返し同じような状況がやってくるのです。
私のようにありのままの自分を受け入れられなければ、受け入れられるようになるための出来事が、できるようになるまでくり返し起こるということなんですね。
著者の先生も「自分の身に起こっている問題を他人のせいにしているうちは解決できない」
とおっしゃっていますが、本当にその通りだと思います。
あなたも同じような失敗のパターン、もっていませんか?
自己肯定感が低くなってしまう原因を知り、自分の状態に気づく
続く第2章では、自己肯定感の低さが何に由来するのか、その大きな要因2つを深く掘り下げて解説してくれています。
成長過程に受けたストレス(発達性トラウマ)
が、今の自分に大きく影響していることが分かります。
ここで出てくるスキーマとは、観念や信念、マイナスの思い込みという言葉で表現されていますが、
そのマイナスの記憶から作られた「思い込みのフィルター」を通して、私たちは普段から世の中を見たり何かを判断したりしています。
このフィルターは、大人よりも圧倒的に無力な存在だった子どもが生き延びるために、自分を守るために必要だったもの。
けれど、それが大人になった今も自分を縛っていることに気づく必要がありますよ、と教えてくれます。
また、この章の中で出てくる「優しい虐待」という言葉は、読んでいて少し切なくなりました。
このような本を読んでいると、「あぁ、私ってそうだったんだ」と落ち込むこともありますが、どうして今こうなっているのか?を知ることが、一歩を踏み出すきっかけにもなります。
辛いときは無理に読む必要もないし、途中で本を閉じてもいいのです。
自分が読みたいと思ったタイミングで、気軽に読んでみたらいいんじゃないかなと思います。
どんな自分もまるごと引き受けて向き合う決意をする
第3章は、生きづらさの原因にしっかりと目を向けて、自分をまるごと引き受けるための具体的な方法が書かれています。
すべての始まりは、内側を変えること。
- 今まで自分を縛ってきたマイナスのスキーマに気づく
- 見たくなかった自分を見る
自分の内側を変えていくためには、まずはその生きづらさの原因に目を向けてみましょう、ということです。
「見たくなかった自分を見る」ための方法のひとつに、嫌いな人の嫌いな理由を考えるというのがあります。
「あの人イヤだな」とか「こんなところが嫌いだな」と思う人の何がイヤなのか?
どんなところがイヤなのか?を紙に書き出すのですが、
そこに書き出してみた、嫌いな人の嫌いな理由・・・それは実は「あなたが無意識に感じていた、あなた自身のイヤな面」なのです。
最初は、「いや、絶対にない!」と思いました笑
でも、たくさんの本を読んでいくうちに「認めたくないけどそうなんだろうな」と思うようになりました。
現実は自分の心を映し出す鏡
いい面もイヤな面も自分の中にもっているからこそ、相手の中にも見えるんですね。
そうやって認めたくない部分を見て、そのままの自分でもいいと思えるようになると、とてもラクになります。
自己肯定感を高めるためにできること
第4章は、自己肯定感を高めていくためにできることや具体的な方法が書いてあります。
この中で著者は、
- スキーマはいくらでも書き換えられる
- あなたの意識のもち方でいくらでも変わっていける
- どんなスキーマをもつかは、あなた自身で自由に決められる
と、伝えています。
自分で「変わる!」と覚悟を決めれば人は変わっていけるんですね。
これは私にも経験があり、自分なりの強い覚悟がその後の人生を変えていくことを実感しています。
また、マイナスのネガティブ思考から抜け出し、ポジティブな未来を思い描くには環境がとても大切。
とくにHSPの人は周りの人や環境に大きな影響を受けやすいので、
- ポジティブな人と一緒にいる
- 心地よいと思える環境を選ぶ
などの工夫をしていくといいと思います。
私は、自分には合わないと感じた環境からは抜け出す決意をして環境を変え、
ネガティブな感情に引きずられやすいため、愚痴や不満ばかりこぼす人とは距離を置くようにしました。
逆にポジティブな感情や心地よい環境からは幸せな気持ちを受け取りやすいので、
ポジティブで肯定的な人たちと関わったり、心地よい本や発信を見たり感じたりすることで、高まった自己肯定感をキープするようにしています。
4章の後半では、心の中を自己肯定感で満たすための具体的な方法が紹介されています。
その中で、私が実感をもっておすすめできるのはこちら。
やりたいことリストを作る
自分の目盛りを細かくする
いい言葉を口にする
この本の通りにやってみたわけではないですが、自己肯定感を高めるワークとして取り組み、効果を感じているものと内容が似ているからです。
よろしければ、こちらを参考にしてみてください。
ウィッシュリスト(自分の本当の願いが明確化するワーク)
スリーグッドシングス(小さなよかったことを探すワーク)
また、言葉の大切さについてはこちらの記事で書いています。
自己肯定感についてはこちらの記事をご参考ください。
このようなワークや気づきを通して自己肯定感が高まり、自分軸で生きられるようになってきます。
できそうなものややってみたいと思うものに、気軽に取り組んでみてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この本は自己肯定感だけではなく、私たちを無意識に縛るスキーマについても深く掘り下げて書いてあります。
私はリミッティングビリーフというものを学んだことがあるのですが、
リミッティングビリーフとは、幼少期に両親との関わりを通じて作られる思い込みや観念、思考パターンのことをいいます。
言い方は違っても、「思い込みのフィルター」という意味では、スキーマと同じものだと捉えています。
色々と学んできて思うのは、
- 心の土台である自己肯定感は、人が幸せに生きていくためにとても大切なもの
- けれど自己肯定感を高めていくためには、自分の中の歪んだ思い込みに気づくことも必要
ということです。
そのふたつの視点から解説してくれている本だったので、今回ご紹介してみました。
発達性トラウマにも多く触れていますが、過去のトラウマに原因があったとしても、
これからの人生は自分の意志で変えていけることを知ってもらえたら嬉しいです。
最後に、著者の言葉をご紹介します。
子供は親や世間に愛されたい、認められたいために、親や世間の期待に沿うと決め、本当の自分の思いを押しのけ、5歳までには自分のスキーマのほとんどを決めてしまいます。
愛されるためには我慢し、正しくなければいけないと思い込み、偽りの自分を作り出して成長するのです。
そうなった根っこには何があったかに気がつき、その過去から逃げることなく、その結果である現在を引き受けるとき、ようやく歪んだスキーマから解放されるのです。
「自己肯定感」をもてない自分に困っています コミックエッセイより引用
著者の長沼先生はHSPの本などもたくさん出版されていますので、気になった方は読んでみてはいかがでしょうか?
あなたの何かしらの気づきになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。