子どもが急に学校に行かなくなった
頭が痛い、お腹が痛いと訴えて休みたがる
なんとかして行かせようとするけれど、うまくいかない
毎朝、親子共につらい思いをしている
どんな対応をすればいいんだろう
こんな状況が続き、心が疲れていませんか?
子育ては悩むことも多いですよね。
このような状況がずっと続いていると、気持ちもネガティブな方向へ傾いてしまいがちです。
私の育て方が悪かったのかも、と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
今回は、
学校に行かない子どもの対応に困っている
どうしたらいいか分からずひとりで不安になっている
そんなお母さんに、私自身が子どもの不登校に向き合ってきて感じることや、不安を感じてしまう理由、
また心を育むという視点から、お子さんへの対応や接し方についてお話ししてみたいと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
助けてくれる人は必ずいる
最初にお伝えしたいのは、お母さんひとりで不安や悩みを抱え込まなくても大丈夫、ということです。
子どもが学校へ行きたがらなかったり、実際に行けなくなってしまったとき
なんとかしないと・・・
と、きっと動揺したと思います。
ご主人が一緒になって対応を考えてくれるのならいいのですが、
- ご主人と意見が合わない
- 甘やかすなと言われる
そんなご家庭の場合、お母さんがひとりで子育ての責任を感じ、より孤独感を強めてつらくなってしまうことがあります。
学校の先生やスクールカウンセラー、メンタルクリニック、市の電話相談、教育支援センターなど、助けてくれる人は必ずいますので、
ひとりで悩まずに相談しやすいところで話してみてくださいね。
特に不登校が始まったばかりの頃は、子ども自身も困惑し気持ちに波がありますし、親も焦りや不安が強くなる時期だと思いますが、
相談してみることで前に進むヒントや解決策が見えてくることがあります。
焦らなくても大丈夫です。
子どもと一緒に親も成長していきましょう。
子どもの不登校に不安を感じてしまう理由
親はなぜ、子どもが学校に行かないことに大きな不安を感じてしまうのでしょうか。
そこには、このような様々な理由があるように思います。
子どもが学校に行かない理由が分からない
様子を見ましょうと言われたがどうしたらいいか分からない
ご近所さんやママ友、世間の目が気になる
周りからのアドバイスに余計に落ち込む
勉強の遅れや進学、子どもの将来に不安を感じる
子どもが学校に行かない理由が分からない
子どもが登校を嫌がったり、毎朝行きたくないと言って動かない姿を見て、
と親は問い詰めてしまいがちです。
親としては何が嫌なのか理由が分かれば対応ができるのに、と思うからです。
ですが、学校に行かない理由や背景は人それぞれで、お子さん自身もうまく言葉にして説明できないことが多いです。
実際には学校や先生との相性、友達関係、家庭環境など様々な要因が絡み合っていて、
本人も分からないけど行けない、「行かない」のではなくて「行けない」のです。
自分なりに精一杯がんばってきたけど心が限界になっている、エネルギー不足の状態なんですね。
頭が痛い、お腹が痛いと訴えるのも、うまく言葉にできない心からのサインだったりします。
そんな状態のところに、
- 甘えるな
- 嫌なことから逃げるな
- みんなはちゃんと行ってるのに
- ただのわがままじゃないの?
このようなことを言われたら、どうでしょう?
余計に心が疲れ果ててしまい、回復にも時間がかかってしまいます。
まずは心身ともにゆっくり休むことを優先して、話は体調のいいときに少しずつ聴いていきましょう。
また、最近広まってきているHSP(エイチ・エス・ピー)という言葉をご存知ですか?
とても繊細で敏感な気質をもつ人のことを言いますが、HSP気質をもった子どものことをHSC(エイチ・エス・シー)と言います。
HSCの子は、その気質から学校で過ごすこと自体が疲れやストレスにつながりやすい面があり、
最近では、理由の分からない不登校の8割くらいはHSCの子ではないかとも言われているようです。
こちらで私が読んで役に立った本を紹介しています!
様子を見ましょうと言われたがどうしたらいいか分からない
色々なところへ相談するようになると、様子を見ましょうと言われることがよくあります。
今なら長期的に見ていく大切さが分かるのですが、
自分の子が学校に行けなくなったときは、その言葉の曖昧さがもどかしくてたまりませんでした。
わが家は「学校に行け!」という夫と「行きたくない!」という娘の激しい戦いが、毎朝のように起こっていました。
そこに止めに入ったり娘を守ることに必死で、私に心の余裕などまったくなくお手上げ状態。
いつまでこんなことが続くんだろう、どうしたらいいんだろう・・・と焦って、早くなんとかしたいという気持ちでいっぱいでした。
同じように、先が見えない不安でいっぱいになってしまうことがあるかもしれません。
親の不安やイライラは子どもにも伝わり、悪循環に陥りやすくなります。
お母さん自身が疲れ果ててしまわないように、ご自身のケアも忘れずにしてくださいね。
子どものことだけではなく、お母さんの悩みや思いを吐き出せる場所が必要です。
カウンセラーさんなど否定せずに話を聴いてくれる人、そのままのあなたを受け入れてくれる人を探してみてくださいね。
きっと、不安が減っていきます。
ご近所さんやママ友、世間の目が気になる
昼間に子どもを連れて歩いていると罪悪感を感じる。
このように、周りや世間の目が気になってしまう人は少なくありません。
そのため、昼間子どもが家にいることを知られないようにしたり、出掛けるときに近所の人や同じ学校のママたちに会わないようにしたり、
別に悪いことをしているわけでもないのに、コソコソしてしまったりする。
そんなことはありませんか?
そのお気持ち、とてもよく分かります。
でも、学校に行けないことはそんなに悪いことではありません。
今お子さんは心が疲れ果てて、これ以上心が壊れないように自分を守るために休んでいます。
もし親が罪悪感を感じて世間の目を気にしてばかりいたら、お子さんはどんなふうに感じるでしょうか?
みんなと同じようにできないダメな子なんだ・・・
そのように感じて、学校に行けない自分をますます責めてしまうかもしれません。
それでは自己肯定感も下がってしまいます。
できれば人目を気にせずに、どこか行きたいというのであれば連れていってあげてくださいね。
お子さんの好きなこと、趣味、興味をもっていることを一緒に楽しんだり、
くだらないことで笑い合ったりする時間は、大人が思っている以上に子どもの心の回復を助けます。
「学校に行けても行けなくても、変わらずあなたが大好きだよ」
お母さんからのそんなメッセージは、必ずお子さんの生きるエネルギーに変わっていきます。
周りからのアドバイスに余計に落ち込む
子どものことで悩み周りに相談したとき、心ない言葉や善意のアドバイスをもらうことがあります。
- 甘やかして育てるからこうなるんだ、もっと厳しくしないと
- 本人が嫌がっても、無理やりにでも連れて行った方がいいよ
- このままじゃずっと行けなくなっちゃうよ、どうするの?
- 仕事ばっかりでちゃんと子どものこと見ていなかったんじゃない?
このような言葉が、すでに困って不安になっているお母さんをどれだけ追い詰めているか、もっと分かってほしいなと思います。
子育ての責任は、お母さんだけにあるわけではありません。
けれど、お母さん自身もどうしたらいいのかが分からないから、周りの言葉に翻弄されてしまう。
でも無理に連れていくのはよくないと思うんだけど・・・
どうするの?って言われたって、私だって分からないのよ・・・
そんな思いが心の中で渦巻いているのではないでしょうか?
相手がよかれと思って言ってくれていても、責めるような言葉や不安をあおるアドバイスは、すべて受け入れなくても大丈夫です。
不登校に理解のある先生や、不登校を経験したことのある人などに話してみると、心が軽くなることもあります。
どんなアドバイスを受け取るかは、あなたが選んでいいのです。
勉強の遅れや進学、子どもの将来に不安を感じる
中学生のお子さんが学校に行けなくなったとき、心配になるのは勉強の遅れや進学のことではないでしょうか。
休みが長引くほどおいていかれるような気持ちになりますし、学校に戻ったときに大丈夫かな?という思いもありますよね。
特に中3にもなると周りも高校受験の話題が多くなってくるので、親の方も焦ってきます。
勉強に関しては、学校には行けないけど家でならできるという子は、自分のペースで進めればいいと思います。
塾へ行ったり家庭教師をお願いする人もいますし、外に出るのが嫌なら今は家でも学べるオンライン学習やスクールもあります。
ひとりで習っていない教科書を見ながら勉強を進めるのは大変なので、お子さんに合いそうな方法を探してみてくださいね。
逆に、すべてに無気力になっていて全然やる気がないというときには、どうすればいいのでしょうか。
難しいかもしれませんが、今は勉強までできるエネルギーがないんだと子どもの状態を認めてしまうと、親もラクになるかもしれません。
何に対しても気力が湧かないうちは、まだエネルギーが溜まっていないんだと理解して回復をサポートしていく方が、
結果としていい方向へ向かうのではないかと思います。
不登校にはマイナス面だけではなく大きなプラスもある
お子さんのことで混乱している今はとても思えないかもしれませんが、
家庭内が落ち着いてくると、不登校にはマイナス面だけではなく、プラス面もあることに気づきます。
色々な本を読んでいると、お子さんの不登校を経験し、親も子も悩み苦しみながらも
最終的に子どもに感謝の気持ちをもてるようになる親は少なくないようです。
そして私も、そのひとりです。
早いうちにこのような問題が出てよかった
わが家も子どもが学校へ行かなくなった当初は、本当につらい日々でした。
けれどそのおかげで、変わってきたこともたくさんありました。
夫婦の問題に本気で向き合う覚悟ができた
子どもの個性を知って理解できるようになった
子どもの頃の母親との関係に向き合うことができた
家庭内のトラブルが減った
家族の仲がよくなり明るい家庭になった
このように、実は親の方が救われたことも多かったのです。
大切なことになかなか気づけない私たちのために、娘は不登校という形で、きちんと向き合う必要があることを教えてくれたのかもしれません。
そう考えてみると、『子どもは親の鏡』なのですね。
子どもの心が傷ついたまま気づかずに放置してしまうと、
大人になってから対人関係や子育てで親と同じように苦しむことになり、負の連鎖を招いてしまいます。
大人になっている分、解決にもより時間がかかります。
思春期の早いうちにこのような問題が出てよかったと、心から思っています。
HSCや発達障がいに気づくことも
HSCや発達障がいの特性をもつ子の中には、学校が苦手な子や適応しにくい子がいます。
ところが、親や先生に気づいてもらえずにただのわがままだと怒られ続けたり、
言動を否定されることが続くと、子どもは自信を失い深く心が傷つけられます。
それが、不登校をきっかけとしてあちこちに相談しているうちに、
実は子どもにひといちばい敏感なHSCの気質があると知ったり、
発達障がいの特性があると気づくと、親が子どもの言動を理解できるようになってくるのです。
するとイライラすることが減り、そのままの子どもを受け入れやすくなり、親子関係がよくなってきます。
相談していく中で気づいたとき、最初は受け入れられなかったり、ショックを受けるかもしれません。
けれど、HSCは病気ではなく持ってうまれた気質ですし、
発達障がいだと分かったことで、今までの育てにくさの理由が腑に落ち、ラクになる人もいます。
「普通」や「みんなと同じようにできること」にとらわれずに、本人の生きづらさや困り感に寄り添ってあげてくださいね。
お子さんのいいところ、素敵なところを、たくさん見つけて伝えていってください。
親から理解され、苦手な部分も個性や自分らしさとして尊重されるとき、
お子さんの生きづらさは減り、未来は明るくなるのだと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
様々な理由で不安になっているお母さんに、私自身が子どもの不登校を通り過ぎてみて思うこと、
「こんなふうに接してあげていればよかったな」と思う対応や接し方を、自分への反省も込めて書いてみました。
子どもが学校に行けなくなると、親は焦り不安になります。
でも、「よく分からないけど学校に行けない」本人の苦しみは、もっと大きいのですね。
親も先の見えない状態で「待つ」のは、本当に大変だと思います。
ひとりで抱え込まずに、学校や地域や周りの人との連携をとりながら、焦らず進んでいきましょう。
そして、ぜひお母さん自身の楽しみや居場所も見つけていってくださいね。
お母さんの心が元気になると、お子さんも元気になります。
お母さんが楽しく過ごしていると、お子さんは嬉しくなります。
不安でいっぱいの心が、少しでも軽くなりますように。
あなたの何かしらの気づきになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
P.S.
HSCについてはこちらの記事でも少し書いています。
よかったら参考にしてみてくださいね。